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[09]マインドフルネスによるメンタルヘルス


こどもや動物は今ここだけに生きているので悩まない

人間の心はアップタイム・ダウンタイムという2つの対極の精神状態でとらえることができます。

アップタイムというのは、五感に意識を集中した思考のない状態です。野球で打者がバッターボックスに立って、ピッチャーに対峙している状態と言ったらわかりやすいでしょうか。この瞬間にはあれこれ思いを巡らせることはありません。思考すれば、とてもではないが、飛んでくる球に集中することはできないからです。このように五感に集中した状態では、時間の経過が実にゆっくりです。

ダウンタイムは逆に没頭していて、五感の感覚を忘れている状態です。この状態では時間の経過が大変速い。たとえば、名作映画に見入っていると、時間はあっという間に過ぎてしまいます。

人間の日々の生活のなかでは、アップタイムとダウンタイムは頻繁に入れ替わります。トータルでは日常生活で、アップタイムとダウンタイムの比率は20:80くらいと言われています。子どものころは時間の経つのが実にゆっくりですが、大人になるとあっという間に1年が過ぎていきます。これは子どもがアップタイム主体で生きている反面、大人はダウンタイムの比率が高いことを意味します。

ちなみに、野生動物はほぼアップタイム100パーセントで生きていると考えられます。だから睡眠も浅く、生き残るために五感を集中して生きているわけです。動物はいつ天敵に襲われて命を落とすかわかったものではありませんが、決して将来を悲観して悩んだりしません。つねに今ここだけを生きています。

マインドフルだとストレスを受け流すことができる

大人はあれこれ思いを巡らすがゆえにうつになりますが、こどもや動物はうつとは無縁です。こう考えれば、アップタイムが、うつの有効な対策になるのは容易に理解できます。悩める人がダウンタイム状態からアップタイム状態に抜ければ、その一瞬は悩みから解放されます。そうして、

「あ、自分は囚われた考え方をしているな」

と我に返って、自分を観察することができます。マインドフルネスというのは、思いが浮かんできても、思いにとらわれず、アップタイム状態を保って、今ここに精神を集中することです。屋外なら、木々のそよぎ、鳥のさえずり、身を切るような寒さ、うだるような暑さを感じますが、これを集中して「味わう」ことになります。これは座禅したのと同じ状態でもあります。

マインドフルネスは、私たちの体内や心で体験される出来事一つ一つに、価値判断も反応もせず受け入れるような姿勢で意識を向け、その瞬間から次の瞬間へ意識を持続することです。 マインドフルなあり方を学ぶにつれて、色々な出来事をとらわれのない無執着の姿勢で体験できるようになっていくので、ストレスや不安症、うつといった日常の苦しみにも対抗できるようになっていきます。

マインドフルネスは練習を積み重ねていくことが、大切とされます。泳げるようになるためには、練習することが必要ですが、そんな感じです。泳げるようになると水を恐れないようになり、世界が広がります。同様にマインドフルネスを習得できると、これまで苦手で、ストレスを感じていたことに立ち向かうことができ、ストレスを自分の力で対処できるようになります。その結果、自分らしい人生をおくることが可能になる、というわけです。

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