コラム
- 23-03-29
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ハラスメント対策の基礎知識②~ハラスメントが組織に与える影響~
2019年、労働施策総合推進法が改定されて、職場におけるパワーハラスメントについて防止措置を講じることが事業主に義務付けられました。また、事業主に相談したこと等を理由にした不利益取扱いも禁止されました。
企業がハラスメント対策に取り組む意義
企業は、従業員が安全で健康に働ける環境の整備と維持に努めなければなりません(安全配慮義務)。ハラスメント防止対策は、企業として「ハラスメントを許さない」という姿勢を明確に示すことから始まりますから、従業員が安心して働ける職場環境をつくる第一歩と言えるでしょう。
もし、企業がハラスメント問題を放置するなど、とるべき措置を講じなかった場合は、安全配慮義務違反はもとより、損害賠償責任を問われることになります。そうならないためにも、まずはハラスメント防止対策のための体制づくりから始めることが重要です。
ハラスメントが組織に与える影響
ハラスメントの発生は、職場において従業員の能力発揮を妨げるばかりでなく、企業の社会的評価を著しく低下させるなど、企業活動に大きな影響を与えます。
ハラスメントが組織に与える影響について、具体的に見ていきましょう。
◆従業員のモチベーション低下
ハラスメントは被害者や加害者のみならず、周囲の人間にも大きな影響を与えます。組織がハラスメント防止に消極的な姿勢であれば、当然、多くの従業員のモチベーションが低下して企業全体の生産性が上がらなくなるでしょう。
◆離職者の発生
通常、労働者はハラスメントが横行している企業では働きたくないと考えるでしょう。特に優秀な人材ほど他社でも働けるでしょうから、離職して他社に移られてしまう可能性が高くなります。
◆優秀な人材が集まらない
求職者があえてハラスメントの危険のある企業に就職すべき理由はありません。ハラスメントへの対応を後回しにすれば、人材不足が加速していき、さらに職場環境の悪化を招きかねません。
◆損害賠償問題
企業は労働者に対し「職場環境配慮義務」があり、パワハラが発生しないように配慮し、万一パワハラが起こっていたら是正する必要があります。もし、その義務を怠れば、企業の責任が裁判等で問われることになります。
◆評判低下、売上低下
ハラスメントを含め人権問題などについて世の中の目は厳しくなってきています。ハラスメントの発生は、企業のイメージ悪化につながり、自社製品やサービスが売れなくなるリスク(レピュテーションリスク)があります。
これ以外にも、メンタルヘルス不調者の発生、管理職や人事労務担当者の疲弊など様々な問題や課題が発生します。
弊社では、総合的なハラスメント防止対策の取り組みをサポートする「ハラスメント防止プログラム」を用意しています。ハラスメント防止体制づくり(規程の作成や委員会の設置等の支援)から担当者育成、各種研修などトータルに支援させていただきます。各企業の取り組み状況に合わせて、柔軟にサービスを組み合わせられることも特徴です。
ぜひ、お気軽にご相談ください。